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新横浜の巨大日時計


新横浜の街をうろうろしている時,ちょうど新横浜プリンスホテルの陰に入ることがあった.
そこで,時期や時間帯によって,新横浜プリンスホテルの陰は果たして
新横浜町内のどこに落ちるのか
,気になったので調査してみた.
よくよく考えれば新横浜町内はビルは多くなったが”超高層クラス”と言えるのは
相変わらずペンシル型の新横浜プリンスホテルだけであり,街はさながら巨大日時計である.



まずは新横浜完全データのページに記載した新横浜の緯度と経度をもとに,
新横浜から見える太陽の方向(北=0°/時計回りが+)と仰角を天文計算ソフトで計算した.
さらに仰角から,新横浜プリンスホテル(高さ149m)が作る「陰の長さ」を三角関数で算出した.
( 「影の長さ」=149m x tan(90°−「仰角」) )
もちろん太陽の位置は時期によって異なるため,冬至,夏至,春分と秋分と別々に算出(概算)した結果を表に示す.
他のビルの陰は無視し,新横浜は平面と仮定してある.




ここまで計算すればあとは考え方は簡単で,太陽の方角と正反対に,陰の長さ分だけ離れた点をプロットすればよい.
こうして作ったのが下図である. ※この図は航空写真の撮影時期と時刻を概算するのにも使える.





この図のはそれぞれ,夏至,春分秋分,冬至の日に新横浜プリンスホテルの頂点部分の陰=「陰の先端」が落ちる場所である.
実際にはホテルから各●の位置にかけて,円柱の幅の分が陰の中に入ることを意味する.



夏至の日,「陰の先端」は日の出の後,岸根交差点あたりから1丁目,2丁目の真ん中あたりをかすめ,
右カーブしながら7時半ごろアリーナ通り交差点から3丁目に入ってくる.
10時に環状2号に入り,ほぼ12時に新横浜歩道橋上に陰を落とした時点が,
一年中でもっとも陰が短く(31m)なる時である.
その後,13時〜15時に隣の横浜銀行事務センターを通過し,15時過ぎに新幹線を越えて大豆戸町・篠原町へ抜ける.




春分と秋分の日頃,「陰の先端」はほぼ直線的な経路をたどる.
2丁目の野球グラウンドあたりから町内に進入し,やはり朝7時半過ぎにセントラルアベニューを渡り,
12時前後にはTECHビルA舘(実際にはビルの窓)に陰を落とす.
14時前後にはリコーのビル(実際にはビルの窓)を通過し,16時には新幹線をくぐった先のセブンイレブンに至る.



冬至の日には,「陰の先端」は夏場とは逆の曲線を描くようである.
新横浜大橋を超え,ワールドカップ大橋の際を通り,駅前公園から直接3丁目に進入する経路をとる.
すなわち11月〜2月ごろにかけては,プリンスホテルの陰は2丁目には到達しない.
この時期は南中時刻であっても太陽の仰角は30°をやや超える程度しかないため
もっとも短くなっても245mである.アリーナの屋根に陰が落ちているはずである.
「陰の先端」は14時頃までアリーナの屋根を進んだ後,太尾新道入り口交差点を斜めに通り過ぎ,
新幹線に沿うように離れて日没となる.




「陰の先端」が落ちているということはどういうことだろうか.

実は下から新横浜プリンスホテルを見上げると,
ちょうど最上階の向こうにわずか太陽が顔を出すか出さないかの状態ということになる.

ここで,1月1日の初日の出について考えてみる.

新横浜の1月1日の日の出時刻はおよそ06:50,方向は北を0°として時計回り118°(概ね東北東)であるが,
篠原の丘陵地の向こうに実際に太陽が見られるのは,更に30分後くらいであろう.

上で示した計算では,1月1日ごろ,新横浜プリンスホテルの「陰の先端」から推定するに,
8時半くらいには新横浜大橋上のやや日産スタジアム寄りから,
ちょうど下の写真のような角度で「初日の出」が見られる(かもしれない)計算になる.
※写真はイメージ図





9時ごろには,ワールドカップ大橋であるが,この時は仰角が20°程度と大きく,すでに光量が強いだろうか.

なお新横浜で一番早く,おそらく最も美しい初日の出は,新横浜プリンス上から眺めるそれであり,
06:48頃と2分ほど早い.



太陽は直接見ると目を痛めるおそれがありますので,気をつけてください.
あと仮に本ページを参考にされたのに実は計算が間違っていたとしても,(天気を含め)責任は取りません.


以上.



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