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新横浜的アイスホッケー観戦

2008/12/18追記:残念ながらSEIBUプリンスラビッツの廃部が発表されました.


 新横浜周辺には日産スタジアムがあり,Jリーグの「横浜Fマリノス」がホームスタジアムとしています.

 新横浜町内会もFマリノスの応援フラッグを町内に掲げサポートしています.しかしながら,Fマリノスはもともとホームタウンを横浜市&横須賀市全域としている上に,2007年1月にみなとみらい地区に「マリノスタウン」を作って拠点としているためどうもFマリノス=新横浜という意識は希薄です.そもそも日産スタジアムは小机町と鳥山町の所在で,新横浜町内ではありません.結論として,同じJリーグの横浜FC同様,Fマリノス=今も昔も”横浜のチーム”です.(それはそれで,応援対象ではあります.)
 では「新横浜の誇るスポーツチーム」とは何か.正確には「新横浜の誇ったスポーツチーム」,それが現「SEIBUプリンスラビッツ」です.

 JIF(日本アイスホッケーリーグ)所属のアイスホッケーチームです.残念ながら,現在はホームタウンを西武新宿線沿線の東伏見(西東京市)に移してしまいました.ただ新横浜もサブホームタウンという位置付けで,年に1〜2試合(2007年は2試合)が開催されており,新横浜スケートセンターで観戦可能です.


タオルには確かにSHINYOKOHAMAの文字

 このラビッツ,かつては「コクド」という日本最強アイスホッケーチームでした.その輝かしい歴史をラビッツのウェブサイトから抜粋引用しました.

 1966年 西武鉄道アイスホッケー部発足(品川)
 1972年 国土計画アイスホッケー部が西武鉄道から分離
 1991年 国土計画が新横浜に移転
 1992年 コクドアイスホッケー部へ名称変更
 1999年 コクドが全日本選手権でチーム初の3連覇達成
 2003年 コクドが日本リーグでチーム初の3連覇達成
 2003年 西武鉄道アイスホッケー部とコクドアイスホッケー部が再合併
        これに伴いホームタウンは西東京市へ(新横浜は準本拠地に)
 2004年 コクドアイスホッケー部が最後の日本リーグ優勝
 2005年 コクドがアジアリーグ優勝
 2006年 コクドがアジアリーグ連覇

 つまり1991年〜2003年の12シーズンの間,新横浜は,日本屈指のアイスホッケーチームを有する町だったのです.現在は日本,韓国,中国のアイスホッケー連盟とともに,毎年アジアリーグが開催されています.
2007年11月23日,本シーズン新横浜で2試合行われるうちの1試合を観戦してきました.以下,アイスホッケーについてはまったく含蓄の無い素人的観戦記です.あえて後からルールなどを調べなおさず,そのままの印象を記してみました.





選手入場,これは敵の王子製紙のメンバーが並んだところ.「5人+ゴールキーパーで計6人なのに,やけにベンチ入りの控え選手が多いな」と思ったのですが,あとでわかったのはアイスホッケーの場合,インプレー中に何度も選手が入れ替わることが許されているみたいで,パックを前方に放り込んだ隙にフィールドプレーヤーがまとめてゾロゾロと頻繁に交代していました.





こちらがサブホーム新横浜の,我等が「SEIBUプリンスラビッツ」.と言っても選手の名前とかぜんぜんわからない(ごめんなさい).来年までに覚えておきます…
ちなみにさほど大きくない会場は超満員.ぐるりと立ち見状態でした.





オレンジ色のユニフォームの少年は,2008年12月15日公開のアイスホッケー映画「スマイル」(陣内孝則監督)に大村良平役として出演する新横浜プリンスジュニアチームの吉岡大輝君.野球の始球式みたいなセレモニーとして,フェイスオフ(レフェリーがパックを投げ入れる)をやりました.





試合開始前にゴール前に集まって気合を入れるラビッツ.スティックをリンクに叩き付ける音がすごい.





これがベンチ.インプレー中に,ゴーリー以外のフィールドプレーヤーが頻繁に出入りしています.よく人数を間違えないなと思っていたら,やはり本試合中一度だけ,7人目の選手がプレーに関与してしまったらしくペナルティをもらうシーンがありました.ちなみにアメリカンフットボールも選手は何度でも交代可能ですが,インプレー中の交代できません.





観ているうちになんとなくわかりましたが,ゴール前にディフェンダーがしっかりそろっている所に前方から攻め込むシーンは,ゴチャゴチャして結局点が入らない場合が多いです(入るところも見たけれど).





(この写真は違いますが,)サッカーでも時々見られる,敵のDFのすべて振り切った決定的チャンスからのゴールが,素人的には面白かったです.
なおゲームセンターのエアホッケーゲームと違い,シュートではパックを自在に浮かすことができるので,ゴーリーが寝転んでもゴールの上角とか狙われてしまいます.ただし,そんなシュートをまたキャッチしたりするって,いったいどういう動体視力なんだと思いました.
あと,スケートでパックを蹴ったりとか,浮いたパックを手で叩き落したりとかいうプレーも結構ある様ですね.ゴーリー以外は,パックを叩き落せても,持つのは禁止(だと思います).





1試合は20分x3ピリオドの計60分で構成されていて,写真は第一ピリオド(観戦通的には「1ピリ」と呼ぶらしい)の終了後に選手が一旦引き上げるところです.インターバルは15分です.





リンクに製氷車が入るのはフィギュアスケートや一般滑走日と変わりません.写真の上に見える旗のうち真ん中はアジアリーグの旗で,その他4つが日本国内4チームのもの.電光掲示板,1ピリ終了時点で1−0でラビッツが勝っています.





SEIBUプリンスラビッツの横断幕.ちなみに会場は寒いので観戦は厚着で行った方が良いです.





サッカーと違い壁に囲まれているので,スローインに相当するものはありません.また同じ理由で連続したインプレー時間が長く,ターンオーバーも頻繁です.
各ピリオドの開始時や,ペナルティで試合が中断になったときにはこの写真のようなフェイスオフが行われます.バスケットボールにおけるジャンプボールの感覚です.ペナルティーがあった場合には反則したチームのゴールに近い場所で行われます.ときどきパックが場外に飛び出したときも然り.





写真は,左のラビッツの選手の前が空いており,思い切りスティックを振りあげてのシュート,いわゆる「スラップショット」を放ったシーン.この場面ではゴーリーがしっかり守って点は入りませんでした.





(動きが速くてなかなか激しいところが写せないため,またフェイスオフのシーンで誤魔化しつつですが,)基本的にリンクに出向き観戦してこそ体感できるのが「音」です.スティック同士がビシビシぶつかる音と,プレイヤーがもみ合いながらドシンと壁に当たるときの衝撃音.これが凄い迫力でした.氷なので音が反響する効果も加わっていると思います.
意外にも,選手が倒れて動けなくなったりしてプレーが止められることは少ない様です.肉体が強靭なのと,防具が充実しているのと両方が理由だと思います.
あと,パックに関係の無いところで,小さな乱闘が何度かありましたがこれはペナルティをもらっていました.





SEIBUプリンスラビッツのユニフォーム背中には,タオルと同じようにSHINYOKOHAMAの文字も入っています.これは2ピリが終わり3ピリが始まる前.





2ピリでは目の前で気持ちよく4つのラビッツゴールを見られたわけです.「40 1:26」などと表示されているのは,「SEIBUの40番の選手がペナルティによる一時退場中で,それが空けるまであと1分26秒」という意味です.王子の16番の選手も同じタイミングで一時退場中という表示になっているので,多分乱闘後の喧嘩両成敗中だったような.(忘れました.)





アイスホッケーの試合とは何ら関係がありませんが,新横浜スケートセンター天井の照明は,昔のプリンスホテルのロゴマークになっています.





サッカー同様,ゴーリーは味方がガンガン攻め込んでいるときは基本的にヒマそうです.ほぼゴール前に張り付いていて,あまりフラフラ飛び出したりしません.相手がペナルティで一時退場中=味方が一人多い時などは,味方が一方的に攻めるのでますますヒマそうです.
しかし敵が攻め込んでくる時間帯はかなり忙しそうで,至近距離から打ち込まれるパックを,よく弾いたりキャッチしたりできるもんだと感心します.





そんなこんなで3ピリに2点返されたものの6−2でラビッツの勝利.王子は試合終了直前にペナルティを犯してしまい,ゲーム終了時点で一人少ないままだったのが不憫.
なお一点を争う終盤では,ゴーリーも危険を顧みず一緒に敵陣に攻めあがってパワープレーをやる場合があるというのを,あいまいな知識として知っています.今回はそれはありませんでした.





勝利おめでとうございました.お疲れ様でした.





ヒーローインタビューは,SEIBUプリンスラビッツのゴーリー,菊池選手.






というわけで,よく知っている方から見れば何ともめちゃくちゃな観戦記かもしれませんが,要は素人でもかなり楽しめたということです.サッカーと同じで,「ゴールの中にパックを押し込めば1点.点を多く取った方が勝ち.」まずはこれだけ知っていれば,あとは迫力を体感して充分アイスホッケーは満喫できます.

SEIBUプリンスラビッツは,サブホームタウンとは言え「新横浜」を拠点の一つとしているスポーツチームです.「地元チーム」として応援に行ってみてはいかがでしょうか.どうせ年に1,2試合しか行われないわけですし.(増えると良いですけれど.)






以上.



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